「主がいる!」
ヨハネによる福音書 21章1〜14節
ヨハネ福音書が記された直後に21章が付け加えられました。これは、きっとペトロをはじめとするイエスの弟子たちの再出発を強調しておきたかったのでしょう。
イエスの十字架の後、弟子たちが再出発して歩み出したのは、ティベリアス湖(ガリラヤ湖)の岸辺でした。この場所は、かつてイエスがペトロたちを弟子として招き集めたゆかりの場所です(マルコ1:16〜20)。つまり、ペトロたちにとっては日常の生活の場でした。そこが彼らにとっての再出発の場でした。
弟子たちは漁に出て何も獲れず、明け方、岸に戻りかけました。その時、復活のイエスが「舟の右側に網を打ちなさい」と声をかけたのです。徒労とも思えるようなことを、あえてもう一度やってみなければ、大漁という奇蹟は起こりませんでした。
「もうだめだ」と失望に陥った弟子たちにとって、しかしその先に主がいてくださり、なおあらたな展開が開かれるのを経験したことで、彼らは勇気と力を得ました。「主がいる!」と主を見つけ出したことで、彼らの中にスイッチが入りました。そして自分の持つ能力や賜物を活かして発揮する道を見出したのです。
イエスという電源が入り、スイッチが入ってこそ、弟子たちの人生は起動し、その能力が活かされ始めたのです。「主だ」「主がいる!」と、きょうのペトロのように、わたしたちも喜び勇んで、自らの身をゆだね、主に向かって飛び込んで行きたいものです(7節)。
〔旭川六条教会『週報』2012.5.20 より〕